スマートフォン(スマホ)の端末代金を通信料と合算して分割で支払っている場合において、通信料を滞納したことで、信用機関へ登録される件数の増加に歯止めがかからない状況となっているようです。また、信用機関に登録される件数が増えるに連れて、新たにクレジットカードの新規発行の見送りや住宅ローンの契約ができないケースも相次いでいるようです。
2017年9月時点におけるスマホ端末代金の滞納件数は500万件超!
大手通信キャリアでは、携帯電話やスマホの端末代金を分割で支払う契約形態が主流になっている中、端末代金を分割で支払っている場合、通信料金を滞納してしまうと、端末代金も合わせて滞納してしまうことになります。
通常、月々の支払いが確認出来なかった利用者に対しては、支払いの督促を郵送などによって行いますが、3ヶ月以上経過後は、請求額に端末代金が含れる場合には信用機関に登録する措置を行っています。
近年では、従来型の携帯電話からスマホへのシフトしている中で、端末が高機能化により、端末代金も上昇傾向にあります。通常の一括払いで購入するとなった場合大きな出費が必要になるケースも多く、多くの消費者は分割払いを選択するケースが一般的になっています。それに伴い、月々の請求額が増加することで支払いが厳しくなったことで滞納者が増加傾向にあることが考えられます。
2018年1月25日付けの日本経済新聞の記事によると「滞納件数は2017年9月時点で500万件超」としています。
端末代金滞納による信用機関への登録件数は年々増加傾向に
スマホの高機能化により、利用者にとって月々の支払い負担が増加する中で、支払いを滞ってしまう方が増えていることで、信用機関への登録件数も増加傾向にあります。
信用機関大手のCICによると、端末代金の支払い滞納による信用機関への登録件数は、2017年9月時点で約515万件としています。6年前の2011年3月時点では、端末代金の滞納によって信用機関へ登録されていた件数は約104件としており、この6年間で5倍に増えていることがわかります。
契約内容の理解不足や公共料金の未払い程度と考えている人も多い
端末代金の滞納が増える要因として、端末の高機能化による費用負担の増加があげられますが、さらに根本的な要因を掘り下げて考えた場合、利用者自身で契約内容をしっかりと把握しておらず端末を分割で支払っている認識が無い場合や、公共料金と同様に通信料金を一時的に滞納している感覚でいることもあります。
日本の携帯通信サービスは契約内容が複雑化している中、消費者にとって契約内容について十分に理解しづらい側面もあり、通信事業者は、消費者にとって契約内容がわかりやすい内容に改めていく必要があるとともに、学校教育などを通じて、滞納リスクが高い学生や若年層に向けた学習の機会を設けることが重要となりそうです。