前回の記事では、過去に存在していた「マルフク」という消費者金融について記載しました。一方で、過去マルフクからお金を借りていたという方も少なからず存在すると思われますが、この場合においても、過払金の請求が可能なのかを調べてみました。
今回は、マルフクからシティファイナンスジャパン合同会社(CFJ)へ資産売却を行った際の資産内容と実際にあった裁判の判決内容を元に過払い金請求の可能性について追求します。
マルフクは2009年に賃金業登録を廃止している
マルフクは、2017年1月11日の記事で記載したように、2009年に賃金業登録を廃止しており、現在消費者金融事業を行っておらず、企業そのものが存続していない状態です。
マルフクについても、2016年10月24日に記載した賃金業法改正以前に他の消費者金融と同様に「出資法」に基いて、融資を行った顧客に対して利息の請求を行っていました。そのため、法が改正後、利息制限法に基いて、払いすぎた利息を変換する義務があり、顧客はマルフクに対して、過払い金請求を行わなくてはなりません。
ただし、既に記載したように、マルフクは企業そのものが存続していない状態であることから、マルフクに対して、過払い金請求を行うのは困難な状況です。
CFJへの事業売却時には顧客の貸金債権も含まれていた
2017年1月11日の記事で、マルフクは経営状態が悪化して、資産の大部分を米金融大手シティグループの「ディックファイナンス株式会社(現:シティファイナンスジャパン合同会社(CFJ))」に売却を行っています。
マルフクが売却した資産の内容を調べてみた所、CFJに売却した資産の中で、顧客への「賃金債権」が含まれています。賃金債権とは、マルフクが今までに顧客に融資した資金を回収できる権利がCFJに移ったことで、マルフクに返却していたお金はCFJに対して行うことになります。
CFJへの過払い金請求は困難な状況
CFJに対する過払い金請求は、消費者側とCFJ側で裁判で争っている状態で、消費者側の主張では、賃金債権がCFJに移ったことで、過払い金を返還すべきだとしていますが、CFJ側としては、過払い金の返還する義務は無いとしています。
この裁判では平成23年7月に判決が出ており、この内容からすると過払い金請求に関しては、マルフクからCFJに継承されるものは契約内容によるとしています。CFJは賃金債権をマルフクから継承する際に過払金返済債務の継承については最高裁で排斥していることから、CFJへの過払い金請求は難しいと考えられます。
マルフクへの過払い金請求については取引内容にも左右されますので相談は最寄りの弁護士に行うことをおすすめします。