クレジットカードには、日常のお買い物の決済で使える「ショッピング枠」と、ATMなどを利用してお金の借り入れができる「キャッシング枠」があります。キャッシング枠はクレジットカード会社によって決められますが、クレジットカードを複数持つとキャッシング枠が増えるのではないかと考えられそうですが、果たしてキャッシング枠が増えることがあるのか解説します。
クレジットカードのキャッシング枠は信用情報を元に決められる
クレジットカードには、日常のお買い物の際に決済として使える「ショッピング枠」と、ATMなどでお金の借り入れができる「キャッシング枠」があります。
ショッピング枠とキャッシング枠は、クレジットカードを契約する場合に、クレジットカード会社より通知が行われますが、その枠は、自由に決められるわけではなく、契約者の信用情報やこれまでの返済履歴、年間収入といった情報を元に決められます。
特に、年間収入については、後述している通り総量規制に基づいて、借りすぎを防止するためにも、ショッピング枠を含めて利用可能額が決められます
総量規制により年収の3分の1以上の金額は借り入れができない
金融機関がお金を貸す場合、自由に金額を決めて貸すことはできません。日本では総量規制と呼ばれる制度が採用されており、年間収入3分の1以上の金額の貸付が行えないように定められています。
住宅ローンなどについては総量規制の対象外ですが、クレジットカード（キャッシング含む）、カードローン、消費者金融、商品購入時の分割払いなどが対象となっています。
そのため、クレジットカードにおいても、契約者の年間収入から総量規制を超えない範囲で利用可能枠が定められます。
クレジットカードを増やしてもキャッシング枠の増加は限度がある
クレジットカードの保有枚数を増やすことで、利用可能なキャッシング枠が増えるかというと、はじめに保有していたクレジットカードのキャッシング枠が少額であれば、1枚追加しただけであれば、クレジットカードを保有しても数万円キャッシング枠が増えるだけにとどまります。
しかしながら、クレジットカードの保有を増やしても、前述したとおり総量規制がありますので、キャッシング枠を増やすのは限度があります。
キャッシング枠を設定する場合も、当然ではありますが、総量規制の上限額ぎりぎりに設定することはありません。今後利用するであろうショッピング枠の利用も考慮して上限額が設定されます。クレジットカードの保有枚数を増やすと、設定されるキャッシング枠については原則として減らされることになります。
そのため、クレジットカードの保有枚数を増やしたという理由で、キャッシング枠は無限大に増やすことはできないので注意が必要です。
