「生命保険の保険金額は、いくらにすれば良いですか?」
生命保険(死亡保険)に入るとした場合、どのくらいの保険金額で入るのが一般的なのでしょうか?今回は、生命保険(死亡保険)の保険金額がの決め方について解説します。
生命保険(死亡保険)の保険金額を決める方程式
生命保険(死亡保険)の役割というのは
被保険者が亡くなった時に、残された家族の生活を守るためのもの
です。
例えば、世帯主(夫)と専業主婦と子供2人の4人家族で、世帯主(夫)が亡くなったとしたら、必要になる費用には、様々なものがあります。
死亡後の支出
- 葬儀費用
- お墓の費用
- 相続税
- 残されたご家族のこれからの生活費
- 子供の教育費
- 子供の結婚資金
- 自動車関連費用(車の買い替え)
- ローンの返済(※住宅ローンの場合は、団信があるため、ローン返済が亡くなる)
- 家のリフォーム・修繕費
- その他の予定外の出費
これらの金額を合計すると、一般的な家庭でも数千万円~1億円以上のお金が必要になってくることがわかります。
それだけの大金の貯金がある方は、ほとんどいないので、生命保険(死亡保険)に加入し、保険金で賄うことが、残された遺族の生活を守ることにつながるのです。
しかし、世帯主(夫)が亡くなった後に入ってくるお金もあります。
死亡後の収入
- 遺族年金
- 妻の老齢基礎年金
- 死亡退職金(※勤務先に制度があれば)
- 専業主婦だった妻が働くことによる収入
- 学資保険
- 相続した資産
- 現在の貯蓄
生命保険(死亡保険)で必要になってくるお金 = 死亡後の支出 - 死亡後の収入
ということになります。
極端なことを言えば
死亡後の支出よりも、死亡後の収入が多いのであれば、生命保険(死亡保険)に入る必要はないということになります。
しかし、多くの方の場合は
死亡後の支出よりも、死亡後の収入が少ないので、不足分を生命保険(死亡保険)の保険金で賄う必要があるのです。
この不足分のことを「必要保障額」と言います。
必要保障額 = 死亡後の支出 - 死亡後の収入
生命保険(死亡保険)の保険金額の決め方
1.必要保障額を計算して、保険金額を決める
必要保障額の計算をすることで、死亡後に足らない金額がわかるので、それ以上の保険金を生命保険(死亡保険)でかけておけば、大丈夫という考え方です。
必要保障額の計算方法
死亡後の支出
残されたご家族が○歳まで生きると仮定した場合の生活費
- 子供が入る状態での毎月の生活費 × 子供が独立するまでの期間
- 子供が独立した後の毎月の生活費 × ○歳まで生きる場合の期間
借金総額
- 住宅ローン
- 自動車ローン
など
住居維持費
- 賃料
- 修繕積立費
- 管理費
教育費
子供が独立するまでの間の教育費
- 学校、大学、専門学校、塾などの学費
- 家庭教師、留学などの費用
葬儀費用
- 葬儀費用
- 墓石購入費用
その他の支出
死亡後の収入
残されたご家族が働いた場合の定年までの収入
各種年金収入
- 遺族厚生年金
- 遺族基礎年金
- 中高齢寡婦加算
- 老齢基礎年金
相続資産
貯蓄
その他の収入
必要保障額
必要保障額 = 死亡後の支出の合計 - 死亡後の収入の合計
計算した「必要保障額」よりも、高い保険金を生命保険(死亡保険)で用意する
という形になります。
「計算が難しい」という方は、こちらの必要保障額計算シミュレーターをご利用ください。
2.他の人が加入している生命保険の保険金額を参考に決める
生命保険文化センターの発表している「生命保険に関する全国実態調査」の様々な生命保険の保険金額データを公表しています。
例えば
世帯の普通死亡保険金額
- 全世帯の平均は2027万円
年齢別の世帯の普通死亡保険金額
- 世帯主が35~39歳だと、平均は2516万円
ということがわかります。
必要保障額計算シミュレーターを使った「必要保障額の計算」では、計算の金額によって、大きく上振れ、下振れしてしまうため、高額な必要保障額になってしまうことも少なくありません。
しかし、1億円の生命保険に入ろうとすれば、かなりの保険料になってしまい、今の生活を脅かすことになり兼ねません。
このようなケースでは、同じ年代、同じ年収での保険金額の平均値を見たほうが、参考になります。
3.簡易的に計算する
簡易的に計算する方法もあります。
保険金額の目安 = 年収 × 3年分 + 子供の教育費
です。
3年あれば、生活を立て直すことができるのと、子供の教育費分を確保できれば、生活は大丈夫だろうという計算です。
「借金は計算に入れないの?」と思われるかもしれませんが・・・
民間銀行の住宅ローンであれば、団体信用生命保険という生命保険に加入しているため、住宅ローンの返済は免除されます。
また、その他の大きい借金があっても、相続放棄すれば借金は相続する必要がありません。小さい借金なら、年収3年分で返済できるという計算になっています。
教育費の参考
進学コース | 幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学文系 | 総額 |
---|---|---|---|---|---|---|
期間 | (3年分) | (6年分) | (3年分) | (3年分) | (4年分) | – |
すべて国公立 | 67万円 | 193万円 | 147万円 | 137万円 | 537万円 | 1,081万円 |
幼稚園だけ私立 | 158万円 | 193万円 | 147万円 | 137万円 | 537万円 | 1,172万円 |
高校だけ私立 | 67万円 | 193万円 | 147万円 | 291万円 | 537万円 | 1,234万円 |
幼稚園・高校が私立 | 158万円 | 193万円 | 147万円 | 291万円 | 537万円 | 1,326万円 |
小学校だけ公立 | 158万円 | 193万円 | 422万円 | 291万円 | 704万円 | 1,768万円 |
すべて私立 | 158万円 | 959万円 | 422万円 | 291万円 | 704万円 | 2,534万円 |
まとめ
生命保険(死亡保険)の保険金額をいくらにすれば良いか?わからない方は
「死亡後の支出」と「死亡後の収入」を計算して、「必要保障額」を求めることで、保険金額の目安がわかります。
必要保障額 = 死亡後の支出 - 死亡後の収入
となります。
実際にどうやって保険金額の目安を知るかについては
- 必要保障額のシミュレーターで計算する
- 他の人の保険金額データを参考にする
- 簡易計算をする
方法があります。
計算に自信がない方、算出した結果に納得ができない方などは、保険会社や保険のプロに相談するのも賢い方法と言えます。