火災保険は不動産投資家でない限り、何社も入るものではありません。賃貸物件であれば管理会社からすすめられた火災保険に入ることが多いでしょうし、マイホームなら人生に1回の買い物と言っていいでしょう。
だからこそ、多くの人が悩むのは「どの補償をつけて、どの補償を外したら良いのか?がさっぱりわからない」という点です。
今回は「○○だからこの補償は付けておいた方が良い。」というのではなく「○○だからこの補償は必要ない。」という方程式をご紹介して、火災保険を選びやすくしていただければと考えます。
「○○だから、この補償は外す」という方程式
高台なら水災は不要
平地で海や川に近い立地であれば、台風や集中豪雨による洪水、床上浸水、床下浸水などを考慮しなければなりません。しかし、海や川から離れているのであれば、火災保険料に締める割合の大きい水災は外しても問題ありません。ただし、土砂崩れも補償に入るので山の側の住宅も注意が必要です。
洪水ハザードマップで洪水発生リスクがないため水災は不要
洪水ハザードマップで洪水にリスクというのは確認できます。洪水リスクが低いのであれば、重たい保険料負担になる水災は外すことも検討すべきです。
4階以上のマンションなら水災は不要
立地にもよりますが、マンションで4階以上に住んでいる場合には水災をつける必要性はほとんどありません。よほど海の側でない限り洪水や土砂崩れによる損害が発生する確率が低いからです。
マンションなら風災は不要
風災というのは台風、疾風、竜巻、暴雨風による損害です。戸建ての場合は竜巻によって家が飛ばさるなどのケースも考えられますが、マンションは躯体が一体化しているので、風災で損害を受ける可能性は少ない為、補償は外しても構わないのです。、
地震発生率が低い地域は地震保険は不要
地震というのは、地盤によって大きく発生率が異なります。日本の中でも、地震が起きやすい地域と地震が起きにくい地域があるのです。0%と言い切ることはできませんが、内陸部ほど地震発生の可能性は低くので、地震保険の保険料の負担と比較すると外しても良いと判断できます。
参考:全国地震動予測地図2016年版
雪が降らない地域は雪災は不要
当然ですが、北国であれば積もった雪で屋根や玄関などが損害を受けることは日常茶飯事ですが、雪がめったに降らない地域であれば雪災が必要になる可能性は少ないのです。
家財保険も、雪災は不要
家の中の家財が雪によって損害を受けることは考えにくいのです。
物体の落下、飛来、騒擾は周辺状況次第で不要
物体の落下、飛来、騒擾は、マンションの下層階にいれば上の階の方が何かを落としたりする可能性があります。飛行場の側や野球場の側なども、飛行機やボールが飛んでくる可能性は高くなります。一方でマンションの高層階や周辺に低層の戸建て住宅しかない場合は、物体の落下、飛来、騒擾は低くなるのです。
盗難は資産次第で不要
盗難は「盗まれて困るものがあるかどうか?」という視点になります。お金持ちであれば家財保険で盗難の補償を明記物件としてつけておかなければ、盗まれたときの保険はおりません。しかし、一方で「金目のものは家に置いていない。」のであればわざわざ盗難の補償をつける必要がありません。盗難の補償は、ドアやガラスが割られて進入されてしまったときの損害も補償されますが、ドアや窓であれば損害額もそれほど大きくならないため、保険料としてはそれほど必要性は大きくないと考えられます。
盗難のセキュリティが整っていれば不要
SECOMに入っているとか、元々セキュリティ機能の高いマンションだとか、番犬がいるなど、盗難に遭わない仕組みが整っている場合も、補償としては外してしまって差し支えありません。
臨時費用、失火見舞費用、地震火災費用の特約は考え方次第で不要
保険と比較するとこれらの見舞金というのは、気持ち程度の少額に設定されています。火災が発生したときにひとまず当座の資金が必要ということで入るという選択肢もありますが、「万が一のときのおまけのようなお見舞金のために保険料が割高になるのは損」と考えるのであれば不要ということになります。
「○○だから、この補償は外す」という状況は千差万別
方程式と書きましたが、最終的には
- 火災保険を掛ける住宅の状況
- 火災保険を掛ける住宅の周辺環境の状況
- 火災保険を掛ける方の資産状況
- 火災保険を掛ける方の考え方
によって、「どの補償を外していいのか?」の答えは変わってきます。正解があるわけでもありません。
しかしながら、上記に挙げた例はオーソドックスな考え方ですので、補償をつけるか?外すか?を検討するときの参考材料にはなるかと思います。
- 発生する確率の低い損害
を自分のケースに当てはめて考えてみて
- 付けるべき補償
- 外すべき補償
をクリアにすると良いでしょう。