「生命保険の医療保険とは、どんな保険ですか?」
「医療保険のメリットデメリットを教えてください。」
「医療保険はどう使うべき保険ですか?」
生命保険の医療保険とは一体どんな保険でしょうか?医療保険に入る必要がある人とは、どのような人でしょうか?今回は、医療保険の仕組み・メリットデメリット・おすすめの方・活用法について丁寧に説明します。
医療保険とは
医療保険とは
自分や家族が病気やケガになった際の医療費に対して、保険金が支払われる保険のこと
を言います。
医療保険には大きく分けて
- 公的医療保険:国が運営する医療保険
- 民間医療保険:民間企業(生命保険会社など)が提供する医療保険
の2種類があります。
公的医療保険とは?
公的医療保険とは
国が運営する医療保険のこと。自分や家族が病気やケガになった際の医療費の一部を国が負担してくれる制度のこと
を言います。
日本では「国民皆保険」制度が採用されています。
文字通り、生活保護の受給者などの一部を除く日本国内に住所を有する全国民、および1年以上の在留資格がある日本の外国人が、必ず何らかの形で公的医療保険に加入するように定められているものです。
公的医療保険の種類
- 国民健康保険(国保):個人事業主、無職者、被用者保険に加入できない労働者等
- 全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ):健康保険組合を持たない企業の従業員
- 組合管掌健康保険(組合健保):企業や企業グループ(単一組合)、同種同業の企業(総合組合)、一部の地方自治体(都市健保)で構成される
- 船員保険:船舶の船員
- 日雇健康保険:健康保険の適用を除外される者のうち、所定の要件を満たす者
- 共済組合:国家公務員、地方公務員、一部の独立行政法人職員、日本郵政グループ社員、私立学校教職員。
- 自衛官診療証:自衛隊員のうち、自衛官、予備自衛官等(召集中のみ)、自衛官候補生、防衛大学校・防衛医科大学校学生、陸上自衛隊高等工科学校生徒などいわゆる『制服組』において公費で診療を受給される者
となっています。
簡単に言えば
- 会社に所属している方 → 社会保険の健康保険に加入
- 公務員の方 → 共済組合に加入
- 個人事業主、自営業者、無職者、年金受給者などの方 → 国民健康保険に加入
という形で、日本では、必ず、何らかの健康保険に加入することが義務付けられています。これを「公的医療保険」と言います。
公的医療保険の内容
公的医療保険の自己負担割合は
- 70歳未満の者は3割。6歳(義務教育就学前)未満の者は2割
- 70歳から74歳までの者は、2割(現役並み所得者は3割)
- 75歳以上の者は1割(現役並み所得者は3割)
となっています。
つまり、高齢者でない多くの方は
- 国が負担するのが7割
- 自分が負担するのは3割
という医療費の負担割合になっているため、病院に行く治療費の費用は、本来の費用の3割で済むことになっているのです。
さらに「高額療養費制度」というものがあります。
高額療養費制度とは
家計に対する医療費の自己負担が大きくなりすぎないように、医療機関の窓口において医療費の自己負担を支払っていただいた後、月ごとの自己負担限度額を超える部分について、あとから、保険で払ってもらえる制度のことを言います。
3割負担であっても、医療費が大きくなると生活に支障が出てしまうため、そうならないために用意された制度といえます。
高額療養費制度の上限は「年収」「年齢」によって、異なります。
例:70歳未満、年収約370~約770万円の方
80,100円 + (医療費 - 267,000) × 1%
※多数回該当:44,400
民間医療保険とは?
民間医療保険とは
民間企業(生命保険会社など)が運営する医療保険のこと。自分や家族が病気やケガになった際の医療費の一部を民間企業が負担してくれる制度のこと
を言います。
日本人であれば「皆保険制度」で、公的医療保険には必ず加入しているため、欧米などと比較しても、かなり医療費の負担は軽減されています。
しかし、それでも、公的医療保険だけでは不足するものがあるのです。
公的医療保険でカバーできない費用
- 先進医療
- 自由診療
- 差額ベッド代
- 入院時の食事代・雑費・交通費
先進医療
先端技術を用いた先進医療治療の技術料は、すべてが自己負担です。
自由診療
がんの治療など、保険が適用されない自由診療を選ぶ必要性が出てくるケースがあります。自由診療は、公的医療保険制度の対象外のため、10割自己負担になります。
差額ベッド代
4人部屋で1日約2,600円、2~3人部屋で1日約3,000円、1人部屋で1日約8,300円、病院によっては1日10,000円以上かかる場合もあります。差額ベッド代が不要な部屋が空いていない場合は、重い負担になります。
入院時の食事代・雑費・交通費
入院時には、病院から食事が出るため、一般的に1食500円程度の費用が発生します。また、、衣類、日用品などの雑費、お見舞いに来る家族の交通費など、さまざまな費用がかかります。
上記のように、公的医療保険ではカバーできない費用負担をカバーしてくれるのが「民間医療保険」となります。
民間医療保険の保険金
民間医療保険では、主に
- 入院給付金:入院した日数に対して支払われる保険金
- 手術給付金:手術費用に対して支払われる保険金
- 診断給付金:○○と診断された場合に支払われる保険金
があります。
保険によって
- 支払条件
- 保険金額
- 支払われる保険金の種類
- 1入院あたりの支払い限度日数
が異なります。
医療保険のメリットデメリット
メリット
1.公的医療保険ではカバーできない費用負担をカバーできる
公的医療保険で、カバーできない費用負担
- 先進医療
- 自由診療
- 差額ベッド代
- 入院時の食事代・雑費・交通費
をカバーしてくれるため、
- 「先進医療」や「自由診療」を選択せざるを得ない場合
- ベッドが空いておらず高額なベッドを選択せざるを得ない場合
などに、大きな費用負担が保険でカバーされるメリットがあります。
2.公的医療保険での自己負担額をさらに減らせる
公的医療保険で、70歳未満であれば、医療費の3割が自己負担です。
民間医療保険に加入することで、この3割負担をさらに保険金で負担を軽減することができます。
デメリット
1.保険料の支払いがある
日本の公的医療保険自体は、他の国と比較しても、充実したものと言えます。
すでに公的医療保険制度で保険料を支払っているのですから、3割負担であれば「それで十分」という考え方もあるのです。
民間医療保険に加入するためには、さらに保険料を支払う必要があるのですから、保険料負担が大きくなるデメリットがあります。
医療保険がおすすめの方
1.医療保険制度だけでは不安な方
医療保険を検討すべきなのは
- 医療保険制度だけでは不安
と考える方です。
とくに先進医療や自由診療を受けざるを得ない場合は、公的医療保険制度の対象外ですので、自分で民間医療保険に加入して、リスクを回避する必要があるのです。
2.貯蓄が少ない方
貯蓄が十分でない方ほど、公的医療保険でカバーできない費用を準備できない可能性が出てきます。
公的医療保険でカバーできない費用
- 先進医療
- 自由診療
- 差額ベッド代
- 入院時の食事代・雑費・交通費
貯蓄が少ない方の方が、医療保険の加入を検討するべきといえます。
医療保険がおすすめでない方
1.貯蓄が十分な方
医療保険は、医療保険制度がカバーできない費用負担のカバーが最大の目的です。
逆に言えば
- 十分な貯蓄があれば、医療保険制度でカバーできない費用も、貯蓄で支払うことができる
のです。
だとすれば、通常の医療保険制度だけで十分という考え方もできるのです。
まとめ
民間医療保険は
- 医療保険制度がカバーできない医療費の負担をカバーするもの
です。
医療保険制度だけで、将来の医療費負担に対処できるか不安を感じる方は、検討すべき保険です。とくにがんや女性特有の病気など、先進医療が必要になるケースを想定するのであれば、加入すべき保険といえます。