自己破産をして免責が下りれば借金の支払い義務はなくなりますので、それまで背負っていた借金が一気になくなります。業者からの督促もなくなりますので、精神的な負担が一気に軽くなるでしょう。ただ自己破産の免責は下りない場合もあります。ここでは免責が下りないケースについて紹介していきます。
ギャンブルや衝動買いなどで作った借金は?
高額の借金を背負ってしまったという人の中にはギャンブルが理由だという人も多いでしょう。ギャンブル依存症という言葉もあるように、ギャンブルは一度勝つとその楽しさを忘れられずにのめり込んでしまうのです。
ただギャンブルは勝ちよりも負けの方が多いことも事実。そのため勝つまでに大量のお金をつぎ込み、いつしかマイナスの方が多くなってしまったということは珍しくありません。
ギャンブルに使うお金のために消費者金融から借りる人は珍しくありません。パチンコ屋などの近くには消費者金融の無人契約機が設置されていることもおおいため、お金をすぐに借りられるからです。
また闇金業者もパチンコ屋周辺をうろついていることが多いため、お金を借りようと思えばすぐに借りられるのです。
こういった娯楽費などで出来た借金ですが、自己破産の免責が下りない可能性が非常に高いと言えます。ギャンブルなどの娯楽費は破産法では免責不許可事由とされているからです。
ただ全てのケースにおいて認められていないのではなく、娯楽費が自己破産の理由であったとしても裁量免責で免責が下りることもあります。これは裁判所が判断するため、実際に自己破産をしてみないとわかりません。
書類の漏れに要注意!
自己破産をする際は裁判所に債権者名簿という物を提出しなければなりません。それにはお金を借りている相手のことを書くのですが、会社も個人も全て記載する必要があります。
ここに漏れがあった場合、免責が下りない可能性があります。破産を申し立てた人が故意に債権者名簿に記載していなかった場合は免責が下りない可能性が高くなります。
しかし故意ではない場合は免責が下りるケースもあるようです。また漏れがあった債権者からの借金額が少ない場合は過失が少ないということで免責が下りることもあります。
書類の漏れに関しては記載していなかったことが故意なのかそうでないか、また漏れていた債権者の分の過失はどれくらいかによっても変わってきます。
複数の借金を抱えている人はどうしても忘れがちです。無事に自己破産を終えるには漏れがないようにしなければならないので、小さな借金だったとしても必ず債権者名簿に加えておきましょう。
当然個人間の借金も自己破産の対象となりますので、親族・友人・知人の名前を忘れないように気を付けてくださいね。
親族・友人・知人が相手でも返済してはいけない
自己破産をすると決めた人の中には親族・友人・知人からお金を借りている人も多いでしょう。そしてそのほとんどの人が親族や友人にはしっかりと返済したいと考えると思います。
しかしそれは免責が下りない事由に該当します。
一部の債権者にだけ借金を返済する行為を偏頗弁済(へんぱべんさい)と言います。これは破産法で定められている免責不許可事由となっているので、自己破産を決めたとしても絶対に誰かに返済してはいけません。
免責が下りなければ自己破産をした意味がなくなりますので、良心が痛んだとしても返済しない姿勢を貫きましょう。
破産者の態度次第でも免責不許可事由に
破産を申し立てたということは高額の借金に困り、それをどうにかしたいという思いから自己破産を選択したのだと思います。自己破産は救済措置なので、自己破産後は心を入れ替えて借金をせずに真面目に生きてもらわなければ意味がありません。
しかし破産手続き中にも関わらず破産者がギャンブルを止めない、裁判所や破産管財人の調査を妨害、所持している財産を隠す、債権者集会に参加しないなどのことがあればそれが理由で免責が下りないこともあります。
自己破産をして免責が下りれば確かに借金の支払い義務はなくなります。しかし反省しなければまた同じことを繰り返すため、同じことを繰り返しそうな人に救済措置を与えるわけにはいきませんよね。
自己破産をしなければならない状況にまで追い詰められたのなら、今後はその状況にならないようにすること。そしてしっかりと反省してそれを態度に出すことも自己破産を行う上でとても重要な事です。
まとめ
自己破産は大半のケースが免責が下りているようです。そのため誰でも自己破産をすれば借金がなくなる…という考えを持つ人もいますが、実際に免責が下りなかったケースも当然あります。
誰でも簡単に借金をゼロにすることができるわけではありません。一度したらもう二度としないという気持ちを持ち、自己破産にまで追い詰められた今の状況を反省しましょう。