「生命保険の認知症保険とは、どんな保険ですか?」
「認知症保険のメリットデメリットを教えてください。」
「認知症保険はどう使うべき保険ですか?」
生命保険の認知症保険とは一体どんな保険でしょうか?認知症保険に入る必要がある人とは、どのような人でしょうか?今回は、認知症保険の仕組み・メリットデメリット・おすすめの方・活用法について丁寧に説明します。
認知症保険とは
認知症保険とは
介護保険の中で「認知症」に特化した保険のこと
を言います。
認知症とは
認知機能に障害が起き、日常生活・社会生活が困難になる病気のこと
です。
介護必要になる理由の1位がこの「認知症」で、高齢化社会が進むにつれて患者数が増えています。
認知症患者の現状(平成24年時点)
- 認知症高齢者:約462万人
- 軽度認知障害(MCI):約400万人
- 65歳以上の高齢者人口:3,079万人
出典:厚生労働省「第115回社会保障審議会介護給付費分科会資料」
つまり、
高齢者の約15%は認知症患者で、軽度認知障害(MCI)も含めると、約3割の方が該当するということです。
だからこそ、介護保険の中でも、認知症に特化した保険が作られているのです。
認知症保険の保険金の種類としては
- 一時金で受け取る
- 年金として受け取る
ものがあります。
また、保険金が支払われるのは
- 診断確定
- 診断確定から○か月症状が継続
が主です。
さらに、認知症保険の入り方としては
- 認知症保険が主契約の保険に入る
- 介護保険に特約として認知症保障をつける
という2種類のパターンがあります。
認知症保険のメリットデメリット
メリット
1.公的介護保険ではカバーできない費用負担をカバーできる
介護費用というのは、それなりに高額になります。
- 介護費かかる費用総額の平均:1,421万円
出典:生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」、厚生労働省「介護給付費等実態統計 令和2年度10月審査分」
です。
公的認知症保険で7割を負担してもらったとしても、自己負担で払わなければならない費用は
- 自己負担額の平均:494万円
にもなるのです。
自己負担の金額が、公的介護保険を利用しても高額になってしまいます。
認知症保険であれば、介護で一番の理由である「認知症」と診断された場合に、まとまった資金が保険金として支払われるため、高額な介護費用の自己負担をさらにカバーできるメリットがあります。
2.要介護状態ではなく、認知症診断で保険金が支払われる
介護保険の場合は
- 要介護状態2以上で保険金が支払われる
- 年金タイプが多い
認知症保険の場合は
- 認知症診断で保険金が支払われる
- 一時金タイプが多い
という違いがあります。
優劣があるわけではありませんが、
- 認知症の症状が明確に出ている方は要介護1以上と認定されることが多い
ため、認知症の場合は、認知症保険の方が保険金が受け取れる可能性が高くなるメリットがあります。
デメリット
1.認知症以外の要介護状態では保険金が支払われない
介護保険の場合は
- 要介護状態2以上で保険金が支払われる
- 年金タイプが多い
認知症保険の場合は
- 認知症診断で保険金が支払われる
- 一時金タイプが多い
という違いがあります。
認知症以外の症状で、要介護状態になったとしても、保険金が支払われないデメリットがあります。
2.保険によっては一定期間の待期期間がある
認知症保険によって
- 診断確定で保険金が支払われる
- 診断確定から180日以上の症状が継続で保険金が支払われる
という2つのパターンがあります。
後者の場合は、すぐに保険金が支払われないため注意が必要です。
認知症保険がおすすめの方
1.公的介護保険制度だけでは不安な方
認知症保険を検討すべきなのは
- 公的介護保険制度だけでは不安
と考える方です。
とくに貯蓄が少ない方は、公的介護保険制度だけでは費用負担は完全になくなりませんので、自分で認知症保険に加入して、リスクを回避する必要があるのです。
2.認知症リスクが高いと考える方
- 介護全廃に保険をかけるのか?
- 認知症のみに保険を掛けるのか?
の違いで、介護保険を選ぶか?認知症保険を選ぶか?という選択になります。
認知症保険は、認知症のみに限定されるデメリットがある反面、要介護状態1でも、認知症であれば保険金が満額支払われるメリットがあります。
まとめ
認知症保険は
- 介護保険の中で「認知症」に特化した保険のこと
です。
高齢化社会が進めば進むほど、認知症リスクは高くなっていきます。認知症リスクを重く受け止める方には、認知症保険がおすすめです。