自営業者の他、アルバイト、パートタイマーの方であれば国民年金に加入されている方も多いかと思います。また、会社員でも仕事を辞めて、すぐに次の仕事につかない場合もその間国民年金に加入することになります。
今回は、収入の減少で支払いが厳しい、失業で会社を辞めて支払いが厳しい状況などにおいて、国民年金保険料が払えないときの対処方法を解説します。
- 日本の年金制度は3段階で構成されている
- 国民年金の支払いが厳しいときは一部もしくは全額の免除が可能
- 国民年金保険料を滞納しても過去10年遡り追納可能
- 滞納すると年金は受給できないので支払いが難しい場合は必ず申請を
日本の年金制度は3段階で構成されている
はじめに、日本の年金制度について仕組みを簡単に説明します。日本の年金制度は第一段階の「国民年金(基礎年金)」、第二段階の「厚生年金」と「国民年金基金」、第三段階の「確定拠出年金(iDeCo)」、「確定給付企業年金」、「厚生年金基金」の3段階で構成されています。
第一段階の「国民年金(基礎年金)」は、20歳以上の国民すべてが加入する基礎となる年金です。20歳以上になると強制的に加入することになります。今回のテーマではこの国民年金を取り上げます。
第二段階と「厚生年金」と「国民年金基金」は国民年金(基礎年金)に上乗せして加入するもので、厚生年金は会社員や公務員の方が国民年金に上乗せして加入します。国民年金基金は自営業者が国民年金に上乗せして加入できるものです。
第三段階としては、将来受け取れる年金を手厚くしたいと考えた場合に任意で加入できる「確定拠出年金(iDeCo)」や、一部の企業で従業員向けに導入されている「確定給付企業年金」、「厚生年金基金」があります。
国民年金の支払いが厳しいときは一部もしくは全額の免除が可能
収入が少なくなり支払いが厳しい、会社を失業して収入がなく支払いが厳しいといった、様々な事情で国民年金の保険料の支払いが難しい場合は、お住まいの市区町村役場に出向き申請を行います。
ただし、申請を行う場合、必ずしも申請が希望通りに通るとは限らず、前年度の所得水準で判定されます。そのため、前年度は所得が一定以上あったが、今年に入って会社を辞めたことで収入がなくなり払えなくなったという場合のみでは支払い免除ができない可能性もあります。
国民年金保険料が全額免除となる金額としては、前年度の収入から各種控除額を差し引いて57万円を下回るかがその基準となります。
国民年金保険料を滞納しても過去10年遡り追納可能
国民年金保険料を滞納していた場合でも、過去10年間に遡って追納が可能です。その場合でも、将来的に受け取れる年金額を増やすことができます。
もちろん、国民年金保険料の支払いを行わなければ、はがきで督促が行われますが、支払わないことで財産が差し押さえになるといったことはありません。そのため、少し遅れるぐらいであれば、収入が改善したときに追納するのも一つの方法です。
滞納すると年金は受給できないので支払いが難しい場合は必ず申請を
国民年金保険料を滞納し続けると、当然ながら将来的に年金の受け取りが難しくなります。一方で、支払いが厳しくても免除申請を行っておけば、たとえ、全額免除となっても、本来の受給額に対して半額の金額は受領できます。そのため、申請しないで滞納を続けるより申請しておいて一部もしくは全部免除にしておくほうがお得になります。
また、年金は老後の資金だけではく、何かしらの事故で障害を持つ状態になったときも障害年金として受給できますので、国民年金保険料は必ず支払うことをおすすめします。