生命保険の種類と種類別の保険料や特徴・目的比較

「生命保険の種類には何がありますか?」

生命保険には、どんな種類があるのでしょうか。今回は、生命保険の種類と、種類別の保険料や特徴・目的を比較しながら解説します。

生命保険の種類

生命保険の種類と分類方法

生命保険を大きく分類すると

  1. 定期保険
  2. 終身保険
  3. 養老保険

の3種類に分けることができます。

他にも複雑な保険商品もありますが、大きくは、この3つの生命保険の組み合わせで組成されているものです。

分類の方法としては

  • 満期:保険が切れる期日
  • 満期保険金の有無:満期に受け取れる保険金の有無
  • 解約返戻金の有無:解約したときに返戻金(払戻金)があるかどうか?

で別れます。

種類満期満期保険金解約返戻金
定期保険ありなしなし
終身保険なしなしあり
養老保険ありありあり

となっており

定期保険

  • 保険が切れる期日がある
  • 満期になっても保険金はもらえない
  • 途中解約しても解約返戻金はもらえない

終身保険

  • 保険が切れる期日がない
  • 満期になっても保険金はもらえない
  • 途中解約したら解約返戻金がもらえる

養老保険

  • 保険が切れる期日がある
  • 満期になったら保険金がもらえる
  • 途中解約したら解約返戻金がもらえる

という分け方になります。

当然ですが、この情報だけで生命保険を比較しても意味がありません。これ以外にも、保険料や保険金が支払われる条件など、生命保険を比較する上で重視すべき様々な要素があります。

生命保険の種類別の保険料の違い

同じ生命保険会社の保険料と保険金額の違い

生命保険の種類保険金額月払保険料保険期間保険料の払込期間
定期保険1,000万円3,070円60歳満了60歳まで
終身保険1,000万円28,910円終身60歳まで
養老保険1,000万円36,450円60歳満了60歳まで

「掛け捨て」と呼ばれる定期保険は、終身保険や養老保険と違って、満期になっても保険金はもらませんし、解約返戻金もありません。支払った保険料が戻ってこないのですから、その分、保険料が安くなっているのです。

終身保険は、満期になっても保険金はもらませんが、解約返戻金があり、終身(死ぬまで)保障が続くので、いつかはご家族に保険金が支払われることになります。定期保険よりは、貯蓄性があり、その分、保険料が高くなっているのです。

養老保険は、満期になったら保険金がもらえるタイプの生命保険です。解約返戻金もあり、貯蓄性が一番高い生命保険となっています。その分、定期保険や終身保険よりも、保険料が高く設定されているのです。

保険会社によって生命保険の種類別の保険料も異なりますが、概ね、定期保険<終身保険<養老保険という保険料の設定になっています。

生命保険の種類別の特徴

定期保険

定期保険とは

一定期間の契約期間で、死亡保障が付帯される生命保険のこと

を言います。

保険期間中に死亡・高度障害状態などの支払事由に該当すると、保険金が支払われるタイプの生命保険です。

定期保険の特徴

  • 契約期間が決まっている(10年、20年・・・、60歳まで、70歳まで・・・)
  • 10年ごとの自動更新などの契約がある
  • 保険料が安い

保険料の特徴

  • 契約期間が長くなればなるほど保険料は高くなる
  • 加入年齢が高くなればなるほど保険料は高くなる
  • 終身保険、養老保険よりは保険料が安い

定期保険の派生商品

定期保険の一種として「収入保障保険」というものがあります。収入保障保険は、保険期間が満了するまで毎月一定額の保険金が年金のように支払われる仕組みの保険のことを言います。

終身保険

終身保険とは

終身、文字通り一生涯、死亡保障が続く生命保険のこと

を言います。

人は、いつかは亡くなるため、いつかは必ず保険金を受け取ることができる貯蓄性のある生命保険と言えます。途中で解約しても、支払った保険料の一部を解約返戻金として受け取ることができる生命保険です。

終身保険の特徴

  • いつかは保険金が受け取れる
  • 一生涯保障が続く
  • 解約返戻金が受け取れる
  • 貯蓄性があるため、保険料は高い

保険料の特徴

  • 加入年齢が高くなればなるほど保険料は高くなる
  • 定期保険よりは保険料が高い
  • 養老保険よりは保険料が安い

終身保険の派生商品

終身保険には、解約返戻金が通常の終身保険よりも少なく設定される分、保険料が安く設定されている「低解約返戻金型終身保険」があります。低解約返戻期間を過ぎれば、通常の終身保険と比べて、支払った保険料に対して受け取る解約返戻金が多くなる特徴もあるため、途中解約をしない方におすすめできる終身保険と言えます。

また、保険料の払込期間が終身のものと、保険料の払込期間に期限があるもの、米ドル建てなどの外貨建ての商品などがあります。

養老保険

養老保険とは

保険期間が満期になると満期保険金が受け取れる貯蓄性が高い生命保険のこと

を言います。

保険期間中の死亡保険金と、無事に満期を迎えたときの満期保険金が同じ金額という特徴があります。

養老保険の特徴

  • 死亡保障と貯蓄を同時に実現する保険
  • 死亡保険金と満期保険金が同額
  • 貯蓄性があるため、保険料は高い

保険料の特徴

  • 満期保険金・死亡保険金の金額によって、保険料が変わってくる
  • 定期保険、終身保険よりは保険料が高い

養老保険の派生商品

配当金があるタイプの養老保険もあります。保険会社の運用実績に伴い、配当が出るタイプの養老保険です。満期保険金も出るため、貯蓄性がさらに高い養老保険となっています。

ただし、責任準備金などの運用益が会社の予定した運用益を超えた場合に配当が出るので、運用実績が計画よりも下回った場合には、配当が出ない可能性があります。

生命保険の種類の分類まとめ

定期保険

  • 定期保険:保険期間内に死亡・高度障害で保険金が受取れる
  • 収入保障保険:保険期間中に受け取れる保険金額が減少していくタイプの定期保険。保険期間中に保険金が年金方式で受け取れる
  • 逓減定期保険:保険期間中に受け取れる保険金額が減少していくタイプの定期保険。保険金の受け取り方法は一括
  • 逓増定期保険:保険期間中に受け取れる保険金額が増加していくタイプの定期保険。満了時の解約返戻金はなく、保険期間中に解約すると解約返戻金が受け取れる
  • 長期平準定期保険:契約期間が長い定期保険。満了時の解約返戻金はなく、保険期間中に解約すると解約返戻金が受け取れる

終身保険

  • 終身保険:一生涯、保障のある保険。解約すると解約返戻金がある
  • 低解約返戻金型終身保険:通常の終身保険より、保険料払込期間中の解約返戻金が低い
  • 積立利率変動型終身保険:市場金利を元に定期的に積立利率を見直し、保険金や解約返戻金額が変動する保険
  • 利率変動型積立終身保険(アカウント型保険):積立部分を主契約として、特約として自由に保障を組み合わせることができる保険
  • 定期付終身保険:終身保険(主契約)に定期保険(特約)が組み合わされた保険
  • 無選択型終身保険:健康状態の告知が必要ない保険

養老保険

  • 養老保険:保険期間中の死亡保険金と満了時の満期保険金が同額の保険

まとめ

生命保険の種類は

  1. 定期保険
  2. 終身保険
  3. 養老保険

の3種類を理解しておけば大丈夫です。

上記の生命保険のメリットデメリットを正確に把握しておくことで、生命保険を選びやすくなるはずです。