過払い金を自分で請求する際の4つのデメリット

前回の記事では、過払い金を自分で請求する際のメリットについて紹介しました。自分で知識を深めていきたい場合や弁護士や司法書士に委託する際に発生するコストを抑えたい場合などは有用な方法です。しかしながら、自分で請求することでデメリットも多いのも実情です。

今回は、過払い金を自分で請求する際のデメリットを紹介します。

時間と手間が多く発生すること

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過払い金を自分で請求する最大のデメリットとして時間と手間が多く発生することがあげられます。特に、借入れした金額が多額な方や10年以上の取引履歴がある方にとっては、データが膨大になりますので、人間の手でひとつひとつ履歴を調べて計算してということは、大変多くの時間が必要です。また、実施している最中に計算ミスや抜け漏れが発生した場合など、始めからやり直すなど、作業が途方にくれてしまう可能性もあります。

取引履歴が1年や2年などであれば、Excelなどで計算を行うことで計算ができます。ただし、普段パソコンの操作やExcelなどを利用している方に限定されてしまいますので、パソコンやExcelが使えない方は、電卓などを使う方法がありますが、あまり効率が良い方法とはいえません。

取引履歴が長い方やExcelが苦手な方、普段仕事が忙しい方は、費用対効果を考えると自分で請求するより弁護士や司法書士に委託した方がよさそうです。

手続きが難雑であること

2016年10月24日の記事で、過払い金の概要について紹介しましたが、その際に過払い金の請求の流れを記載していますが、流れだけを見ると手続きとしては単純に見えそうですが、まず、賃金業者に取引履歴を請求したりと、電話などのやり取りが多く発生することや、先ほどの取引履歴の計算のように、取引履歴が長い方などは計算に時間がかかってしまうこと、計算した結果を元に賃金業者と交渉を行う等、自分の労力を多く使うことになり、書類を書いて振込を待つだけという単純な手続きでは終わりません。

また、交渉の結果に納得が行かない場合、訴訟提起して裁判を起こす必要性がでてくるなど、更なる、手続きの複雑化につながり、精神的にも大きな負担がかかってしまいます。そのため、自分で請求するには、多くのパターンを想定して、どの様な方向に進んでも対応できるよう知識や体力が必要になります。

電話で賃金業者と交渉しなければならないこと

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過払い金請求の難関である賃金業者と交渉しなければならないことも大きなデメリットです。個人が業者と交渉すると多くのパターンでは、個人が立場が弱いこともあり、個人が不利に動くパターンは多いです。

個人が不利な方向に動くことは、過払い金の交渉にかぎらず、ビジネス上のやり取りでも珍しいことではありませんが、要は、個人は業者などに比べて、保有している知識だったり交渉力の面でどうしても劣ってしまうことが原因にあります。

そのため、自分で過払い金を請求するには、過払い金やある程度金融に関する知識を豊富に知っておく必要があります。知識を保有していることで、相手が不利な方向に持っていこうとしても知識があることで、問題点や納得がいかない点を論理的に説明できます。また、交渉力があり、相手の話の流れに乗ることがなく自分の主張がしっかりとできる点も重要です。

家族に借金していたことが知られてしまう可能性があること

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最後に、家族に秘密で借金をしていた方が該当しますが、過払い金を自分で請求することで、家族に借金が知られてしまう可能性があることです。

過払い金の手続きを行うことで、金融機関や裁判所などから手続きに必要な書類が多く郵送されます。そのため、家族と同居していて、普段奥さんなどが郵便受けをチェックしているといった場合など、これらの書類は何か問われる可能性や勝手に中身を見られてしまうことも考えられます。

家族に秘密で借金をしていたのであれば、自分で過払い金を請求するのは避けたほうば無難です。

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