政府がギャンブル施設内におけるATMのキャッシング機能禁止を検討へ

政府は2017年3月31日に、競馬や公営ギャンブル施設、パチンコ店などに設置しているATMのキャッシング機能を禁止する方向で検討を進めていることを明らかにしています。

ギャンブルにのめり込むことで、借金をしてまで馬券を購入たりするなどギャンブル依存症が社会問題になるなか、強制的にお金を借りれないようにすることで、ギャンブル依存症に陥るリスクをコントロールします。

ギャンブル依存症対策の法整備が進む

政府では、ギャンブル依存症対策として法整備を進めていますが、今回の様に、ギャンブル施設内に設置しているATMでのキャッシング機能を禁止を検討する他、警視庁は、パチンコの出玉規制の基準を見直す方向で検討を進めています。

また、ギャンブル依存症を治療する医療機関の整備も合わせて進めるとともに、ギャンブル依存症に関する社会問題を根本的に解決していく方針です。

キャッシングの動機は生活費補充の他、ギャンブルも高い

借金を繰り返してギャンブルにのめり込むギャンブル依存症の根本的な対策が検討される中、実際にギャンブルが動機となりキャッシングに走る方の割合も高いのが現状です。

金融広報中央委員会が公開しているウェブサイト「知るぽると」に公開されているデータによると、収入の減少により生活費を補充する為に止む得ずキャッシングをした方の数がトップで、9157件で割合として約30%を占めています。日本は長年にわたり景気が低迷していたことで、収入が上がらず経済状況が厳しいことが起因していることがわかります。

2番目に多いのが、商品の購入、サービス購入となっており、割合として約7%となっています。こちらはショッピング依存など浪費癖などが起因してキャッシングを行った要因としても高いと考えられそうです。

3番目はギャンブルで、こちらは約5%となっています。何となく興味本位でやってみたギャンブルがエスカレートしてしまい、熱中してしまい気づいたら借金をしてまで行ったというケースも少なくありません。

カジノ方案などの制定によりギャンブル対策が急務に

今回政府がギャンブル対策を強化しはじめている背景としては、カジノ方案の制定などが上げられます。日本では現在カジノは刑法185条および186条の「賭博及び富くじに関する罪」において賭博行為が禁止されていることから国内において、カジノ施設の設置が認められていないのが現状です。

しかしながら、日本政府では外国人観光客の呼び込みを強化しており2020年までには訪日外国人数4000万人という目標を掲げる中で、カジノを誘致することで観光だけではなく、娯楽などを融合させたリゾート観光地として更なる魅力を高める事に加え、カジノによる経済効果を底上げし、経済の活性化につなげたい意図があります。

そのため、カジノを解禁するにあたり、ギャンブル依存症対策をしっかりと実施し、利用者が適度に楽しめる環境を構築する必要があるわけです。

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