消費者金融やカード会社などからお金の借入れを行い、利息を払いすぎた場合は過払い金として返還手続きを行うことが出来ますが、近年では過払い金の返還に関する広告を目にする機会が増えるなど、過払い金請求に関して関心が高まっています。
前回の記事では、過払い金請求を弁護士や司法書士に委託する場合の費用について記載しましたが、今回は、実際に過払い金請求を行うとどれ位の期間を要するのか解説します。
自分で請求すると手続きが難雑で膨大な時間を要する
過払い金を請求して手元にお金が戻ってくるまでの期間については、自分で請求するか弁護士や司法書士に依頼する場合とで大きく変わるといえます。
自分で請求するとなると、2016年10月30日の記事でも記載したように、借入金額が多額な場合や複数の金融機関から借入れを行っている場合、10年以上と長期で借入れを行っている場合など、取引履歴が膨大になる場合は、そのデータを1つ1つ調べて計算するとなると、当然大きな時間が発生するでしょう。
また、全ての取引履歴に対して1回で正しく計算して正確に過払い金請求額が算出できれば良いですが、普段、Excelを使って計算をしない方や膨大なデータの解析を実施した経験が無い方が、いざ実施してみると必ずと言ってよいほど抜け漏れが発生して、計算をやり直すなど、作業の手戻りが発生してしまうことも考えられます。一方で、取引履歴が少ない方や期間が短い方であれば、自分で計算した方が早い場合もあります。
また、計算ができた後、金融機関と過払い金の回収で交渉する必要があることも考えなければなりません。交渉を優位に進めるためにも、法律などの勉強を行い、知識を身に着けておく必要があります。この様な時間も考えると、短期間で過払い金請求を行うのは現実的ではありません。
弁護士や司法書士に委託する場合は、作業時間が短縮できる
弁護士や司法書士に、過払い金請求を委託する場合、ご自身が借入れた取引履歴を弁護士もしくは司法書士に提出するだけで、複雑な計算を実施してくれますので、取引履歴からご自身で計算して請求額を算出するのに比べると、大幅に時間が短縮できるといえるでしょう。
また、金融機関との過払い金請求に関する交渉などのやり取りも、法律に詳しい弁護士や司法書士などが代行してくれますので、ご自身で法律の勉強を行い、交渉を行うのに必要な時間を短縮することができます。
大手消費者金融は6ヶ月前後が目安
駅前などにある大手消費者金融で借り入れした場合において、過払い金が手元に戻ってくるまでの期間は、電話交渉を行い「和解」した場合は、4ヶ月から6ヶ月ほどの期間を要します。一方で、訴訟などを起こした場合は、最大で8ヶ月から12ヶ月程度の期間を要するようです。
アイフルで借入れをしている場合は注意が必要です。総量規制が実施された後、経営難に陥った多くの消費者金融は大手金融機関の傘下となって経営を再建させていますが、アイフルはどこの金融機関の傘下に入っておらず、単独での経営を継続しています。そのため、経営状況が悪化し資金面で大きな不安があるのが現状で、過払い金の返還までの期間が長期化してしまう可能性があります。