賃貸で火災保険に入る必要性と賃貸で入る火災保険の選び方とは?

  • 「賃貸マンションなのに火災保険に入る必要ってあるの?」
  • 「不動産会社から火災保険の加入を求められたけど、断れないの?」
  • ・・・

持家ではないのに火災保険をすすめられてしまったときにどう対応すれば良いのか、わからない方も多いと思います。今回は「賃貸マンションにおける火災保険の選び方」について解説します。

賃貸でも火災保険が必要な理由

火災保険とは

住宅の総合保険であり、住宅に関するあらゆる災害に対して保険金が支払われる保険のことです。

  • 火災「火災、落雷、破裂・爆発」
  • 風災「風災、雹(ひょう)災、雪災」
  • 水災「台風、集中豪雨などを原因とした洪水や土砂崩れ」
  • 日常災害「盗難、水ぬれ、建物外部からの物体の衝突」
  • その他「偶然な事故による破損・汚損」

などが起きたときに、損害が補償されるものです。

賃貸物件の場合は

物件のオーナー(大家さん)が物件自体に火災保険をかけています。

マンション一棟が火災で焼失してしまっても、保険で再度建築するための金額(再調達価格)が保険で支払われるため、不動産投資家、不動産オーナーは、99%は火災保険に加入しています。

「じゃあ、なんで賃貸で住む人が火災保険に入らなければならないの?」

理由は2つあります。

  1. 原状回復にかかる損害の回避
  2. 自分の家財に対する家財保険

です。

原状回復にかかる損害の回避

物件を賃貸で借りる人「賃借人」には、「退去時に原状回復する義務」が課されています。これは賃貸契約にも明記されています。

だからこそ、退去時には敷金が全額返ってこず、一部が部屋のクリーニングや壊した備品の購入費などに充てられるのです。きれいに使っていれば敷金は全額戻ってきます。

だとすると、自分の部屋が火災に遭ってしまった場合に、退去するときには「原状回復」をしなければなりません。

燃えてしまっているのですから、「原状回復」には賃貸物件一棟のレベルではないものの、数十万円、数百万円のコストがかかってしまう可能性があるのです。
「火災保険」とひとくくりで説明されることが多いのですが、賃貸物件で加入をすすめられるのは「借家人賠償責任保険」のことなのです。

「借家人賠償責任保険」とは

原状回復にかかる損害を補償してくれる保険のこと

です。

自分の家財に対する家財保険

「原状回復」以外の損害としては、自分が持っている家具の損害です。

テレビ、パソコン、デスク、ベット、イス・・・

ある程度の資産価値のあるものが火災によって損害を受けてしまったら、再度購入しなおす費用が保険によって補償されるのです。

この時に入る火災保険のことを「家財保険」と言います。

「家財保険」とは

自身の所有する家電、家具などの損害を補償するもの

です。

「借家人賠償責任保険」も、「家財保険」も、火災保険の一種ですから

損害の対象になる災害というのは「火災」に限らず

  • 火災「火災、落雷、破裂・爆発」
  • 風災「風災、雹(ひょう)災、雪災」
  • 水災「台風、集中豪雨などを原因とした洪水や土砂崩れ」
  • 日常災害「盗難、水ぬれ、建物外部からの物体の衝突」
  • その他「偶然な事故による破損・汚損」

などでも、保険金は支払われます。

賃貸契約時の火災保険加入は断れるのか?

「不動産会社から賃貸契約時に火災保険の加入を求められたんだけど、火災保険は断っていいのかな?」

という疑問を持つ方も少なくないかと思います。

回答は

断ることはできる。
ただし、別の火災保険でもいいが、火災保険自体に加入しないと不動産オーナーに「貸さない」と言われる可能性が高い。

ということになります。

賃借人が火災保険に加入することを義務付けている法律などは存在しません。

しかし、不動産オーナーにとってみると

貸した部屋で火災が発生したときに火災保険に入っていないと原状回復できないかもしれない。

「原状回復の義務」は火災保険の加入、非加入に限らず賃借人に発生するが、支払い能力があるかどうかは別問題なので、支払い能力がないと困るため、火災保険の加入を必須事項としているということなのです。

不動産オーナーは「火災保険の加入を必須事項」として不動産会社に依頼していることがほとんどなのです。

現実的には「火災保険に加入しないと賃貸物件を借りられないものが多い」ということです。

不動産会社がすすめてくる火災保険でなくてもいいの?

これは大丈夫です。

不動産会社は、火災保険の顧客を損害保険会社に紹介すると、紹介料が入るので提携している保険会社の火災保険をすすめてくるのです。

しかし、賃貸契約の条件というのは

  • 火災保険に加入していること

であり

  • 不動産会社がすすめる火災保険に加入していること

ではありません。

ご自身で別の保険会社の火災保険に申込んでも問題ないのです。

賃貸で入る火災保険のおすすめの選び方とは?

よく不動産会社がすすめてくる火災保険に「三井住友海上/リビングFIT」があります。

三井住友海上/リビングFITの保険料例

保険料20,000円25,000円30,000円35,000円
家財保険金額410万円680万円820万円990万円
借家賠償支払限度額1,500万円
借用住宅修理費用支払限度額300万円
個人賠償支払限度額1億円

2年で2万円なので、1年で1万円ぐらいです。

この火災保険は結構充実した保険で

  • 家財の補償
  • 同居人の家財も補償
  • 事故時諸費用保険金
  • 地震火災費用保険金
  • 失火見舞費用保険金
  • 水道管修理費用保険金
  • ドアロック交換費用保険金
  • 個人賠償
  • 示談交渉サービス

などが補償されます。

充実している分、若干高めの保険料設定です。

火災保険の保険料比較

三井住友海上/リビングFIT

20,000円/2年

家財:410万円
借家賠償支払限度額:1500万円
個人賠償支払限度額:1億円

ジャパン少額短期保険

13,000円/2年

家財:300万円
借家賠償支払限度額:1000万円
個人賠償支払限度額:1000万円

日新火災

6,000円/1年

家財:100万円
借家賠償支払限度額:2000万円
個人賠償支払限度額:1億円

見ていただければわかる通りで

  • 家財保険の補償額をいくらに設定するのか?
  • 借家賠償支払限度額をいくらに設定するのか?
  • 個人賠償支払限度額をいくらに設定するのか?

によって、火災保険料は変わってくるのです。

家財の資産額で決めるのがおすすめ

家財全額を足しても、10万円程度にしかならない学生が家財保険410万円の「三井住友海上/リビングFIT」に加入しても意味がありません。

「日新火災」の100万円の家財保険があれば、それで十分なのです。

借家賠償支払限度額というのも、住んでいる部屋のグレードによって「原状回復」にかかる費用が変わってくるので、学生などの場合はそれほど高額な限度額設定は不要なのです。

一方で

  • 高額な家財がある方
  • 高級マンションに住んでいる方

は、たかだか数千円をケチる必要がありません。高額な補償額が設定されている火災保険を選ぶ必要があります。

この場合は、不動産会社がすすめてくる火災保険がその物件に適している可能性が高いので、言われた火災保険に加入する形で良いでしょう。

まとめ

賃貸の火災保険とは

  • 原状回復費用
  • 家財の損害

をカバーするための火災保険です。

基本的に多くの賃貸物件で「火災保険の加入」は必須事項になっています。

ただし、不動産会社がすすめてくる火災保険が必須ではないので、自分で火災保険を選んでも構いません。

賃貸の火災保険を比較するときには、お持ちの家財の資産額に応じて決めることをおすすめします。

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