大手消費者金融「アコム」と「プロミス」の財務状況を徹底比較

2016年12月14日の記事で、過払い金を請求してから手元に戻ってくるまでの期間について記載し、実際に消費者金融に連絡してから半年程度の期間が必要であることを記載しました。

ただし、総量規制の影響で過払い金請求が増加するなど、消費者金融の経営状況に暗雲が立ち込める中、大手都市銀行が出資するなどで経営に関与する形で再建を進めていますが、財務状況によって過払い金が実際に手元に戻ってくる金額が変わってくることもしばしばあります。

今回は、大手消費者金融として有名な「アコム」と「プロミス」の財務状況を見ていきます。

三菱UFJフィナンシャルグループ「アコム」

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アコムは三菱UFJフィナンシャルグループの消費者金融で、総量規制により過払い金の請求が増加するなど、経営状況が厳しくなったことから2008年に三菱東京UFJフィナンシャルグループがアコムの株式公開買付け(TOB)を実施したことにより、出資比率が40%となり、連結子会社として事業活動を展開しています。

財務状況は、2014年から過去3年間売上は増加傾向にあります。2016年3月期の連結決算では2376億8300万円(前年同期比8.4%増)と過去最高となっています。人件費や固定費を差し引いた本業の利益を示す営業利益については155億1600万円(前年同期比10.3%増)、営業外収益を加味した経常利益は162億円(前年同期比9.9%増)となっています。

最終的に手元に残る純利益については、145億9800円(前年同期比13.5%増)となっており、2016年現在では過払い金請求が減少したことなどで利益を確保できるまで業績は回復しつつあることがわかります。

企業が保有している全体の資産価値から借入金などを差し引いた自己資本比率は27.52%となっており、健全とされる30%には満たないものの、引き続き順調に利益を確保できれば、財務状況は更に回復するものと思われます。

SMBCコンシューマーファイナンス「プロミス」

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プロミスは、都市銀行である三井住友銀行を筆頭とした三井住友フィナンシャルグループの「SMBCコンシューマーファイナンス」によって事業活動を展開しています。

同社は2011年10月から行われた三井住友銀行による株式公開買い付け(TOB)が行われたのと同時に、三井住友フィナンシャルグループに対する第三者割当増資が行われたことで2012年4月より、三井住友フィナンシャルグループの完全子会社となりました。

財務状況は、2014年より過去3年間増収を達成しています。営業利益については2458億円(前年同期比7.7%増)を達成しました。しかしながら、過払い金請求の増加によって、利息返還引当金を1,220億円を繰入たことにより、営業費用が858億円増加したことが起因して、経常利益が-611億円、純利益が-648億円となりました。

しかしながら、2016年11月14日に行われた2017年3月期の中間決算発表では、経常利益304億円(+4.2%増)、純利益は280億円(+3.8%)と、利益は回復傾向にあります。

自己資本比率は2016年3月期の連結決算を発表した時点では13.10%と、健全とされる30%を大きく下回っていることから、収益を多く確保して、自己資本比率を高めることが求められます。

上記2社の消費者金融の財務状況は概ね問題なし

アコムとプロミスともに、営業利益は3年連続で増加傾向にあり、経営状況としては回復傾向にあることを伺わせます。

アコムについては、利益の確保も十分に行われており、自己資本比率も健全とされるレベルに近いことから、財務状況を理由に過払い金が戻ってこないという心配は無いでしょう。

プロミスについては、自己資本比率が低いのが気になりますが、2017年3月期の連結決算では増収増益が予想されており、過払い金請求が一段落すると、財務状況の改善は更に進むと思われ、財務状況の心配は大きくはないといえます。

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