新型コロナウイルスによる感染症拡大により、経済に大きな影響を及ぼしている中、政府による個人向けの経済支援がまとまりました。住民基本台帳に基づいて、一人あたり一律10万円を支給することで決定しました。申請は郵送やインターネットで行えるようになり、窓口での受領は不要となります。
収入減少有無問わず国民一人あたり一律10万円を支給
新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響で、収入減少などで生活が厳しい状況になる方が増えている中、日本政府は収入が一定以上減少した世帯に給付する方針を検討していましたが、その方針を転換し、全国民一人あたり一律10万円を支給することで支援策がまとまりました。
当初は、収入減少の目安として単身世帯の場合は月収で10万円以下に減少した場合は一律30万円、扶養家族がいる場合は一人あたり基準額が5万円を上げるように検討していました。
収入が10万円以下の状態になった場合は、住民税非課税となる境界とされていますが、市区町村や職業などによっても微妙に異なる場合が多く、給付の可否に差が生じる可能性があったことなどから、市区町村の事務負担が増すといった問題も懸念されていたことから、一律10万円の支給にすることで複雑さを回避し迅速な手続きが可能となります。
給付手続きは郵送もしくはインターネットで申請
給付金の受け取りについては、4月27日を基準日として住民基本台帳に記載されている人が給付の対象となります。給付にあたっては世帯員の指名が印字された申請書が郵送されますので、銀行口座番号などを記入し返送もしくはインターネットで申請します。
今回は、感染の危険性を意識して窓口ではなく郵送もしくはインターネットでの手続きになりますが、銀行口座を保有していないなど特別な理由がある場合は、窓口での申請も認めるとしています。
インターネット申請にあたっては、マイナンバーカードを保有している場合は、専用サイトであるマイナポータルを活用することになります。郵送の場合は、本人確認書類の複写が必要になりますが、インターネット申請の場合はマイナンバーカードで電子署名が活用できるため不要となります。
給付金が受け取れるのは、5月中を目安にしています。また、申請書が届いてから3ヶ月以内に申請する必要があるとしています。
事業者向けには最大200万円給付の他、無利子融資も活用可能
個人向けの経済支援策の他、事業者向けには売上が半減した場合、中小企業には200万円、個人事業主(フリーランス含む)には100万円を上限に給付することも合わせて発表しています。
これとは別に、政府の非常事態宣言により休業要請の対象となったお店や飲食店などについては、別途、都道府県や市区町村などが休業補償が行われます。
さらに、今後の事業継続のために事業資金を借り入れたい場合は、民間の金融機関において無利子、無担保による融資制度の創設も行われる予定です。